FREE RIDE ライダーは桐生を目指す その9 向かい風に立ち向かえ!!

客との話が終わるのももどかしく、「VIBES」の2003年12月号を、今度は前からめくった。あった、確かに掲載されていた。19ページ目、「BIKER’S EYE ズームアップトピックス」と題されたページである。広告と目次のページを除けば5つ目の記事である。

「向かい風に立ち向かえ!! MADE in桐生のフライトジャケット。」

の見出しがついた記事は、編集部で撮ったと思われる「RIDERS N-3B」の写真が6枚も添えられている。送ったジャケットが役に立ったらしい。最も大きな写真は、従来のフライトジャケットと並べて「RIDERS N-3B」があった。二渡さんがどこにこだわり、何を変えたのかが一目で分かる。

いま振り返れば、この記事が二渡さんの人生を変えたといえる。「FREE RIDE」の礎を築いたともいえる大切な記事である。そこで、「VIBES」を出している有限会社源のお許しを得たので、全文を引用する。

群馬県桐生市の「フリーライド」の店名には、読んで字の如く“バイク乗りならジャンルを超え、自由に楽しみ、自由に走ろう”そんな願いが込められている。20年以上に渡り、さまざまなジャンルのバイクを乗り継いできたオーナーの二渡氏。すべてのバイク乗りに向け、5年ほど前に立ち上げたブランドがスカルフライトである。その主力商品となるのが今回のフライトジャケットだ。
US空軍御用達のフライトジャケットをモチーフに、レプリカではなく、あくまでバイク乗りとしての立場で、自ら真冬の峠道を走り、風の巻き込み対策や、素材の耐久性などを改良していった。まずクリアしなければいけなかったのは重量の問題だった。軍用のフライトジャケットは、素材の関係上かなりの重みがある。軽量化を図るのは簡単だが、軽すぎると保温力が低下してしまう。そこで中身に圧縮ウールと中綿を混合で使用するなど、試行錯誤を重ねた結果、重過ぎず、保温性にも優れた第1号モデル、N-3Bが完成した。もちろんライディングにも支障がないように、ボディをタイトに仕上げ、風の侵入を抑える配慮もなされている。現在ではN-3Bの他に2タイプがリリースされ、毎年シルエットを若干変更したり、ボタンホールを5mm小さくしたりするなど、細かい部分の改良は今も続いている。
なお、桐生で生まれ、桐生で育った二渡氏が、地場産業に少しでも貢献できたらと、製造はすべて桐生市内の工場で行われている。このことからも、彼のモノ作りに対する温かみが感じられる。赤城おろしにも負けないバイク乗りが、自信を持って提供するフライトジャケットである。

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