朝倉染布第6回 パンパース

技術陣の奮闘で、危険と隣り合わせだった加工作業が安全になった。そればかりがか、 撥水機能も格段に良くなった。嬉しいことに消費者も質の向上を感じ取ってくれたらしい。朝倉染布の撥水生地生産は順調に伸びた。

東レの生地を使い、朝倉染布が撥水加工した生地でできたおむつカバーは、市場を席巻する勢いだった。防水素材を使ったおむつカバーの出番は、もうない。
あまりの人気振りに目をつけたのか、撥水機能をうたった類似品も出回り始めた。しかし買ってテストをしてみると性能がまったく違う。水が漏れたり、なぜか肌が蒸れたり、数回の洗濯で撥水性がほとんど消えたり。

研究に研究を重ねて商品化にこぎ着けた技術力は一朝一夕で追いつかれることはない。自信は確信に変わった。他社の動きはまったく気にならなくなった。

だが、好事魔多し、という。
思いも寄らないところから強敵が現れた。パンパース。使い捨ての紙おむつである。

パンパースは1961年、アメリカのP&G社が製品化した紙おむつである。当初は重くてかさばり、価格も高かったので余り売れなかった。しかしP&Gは、「使い捨て」というコンセプトはいずれ必ず受け入れられると信じていたのだろう。諦めることなく、コツコツと軽量化を進め、高性能吸収剤を使って性能向上を図るなどの研究開発を続けた。粘り強い努力で徐々に使いやすさ、便利さが認められ、1977年にはアメリカのおむつは70%以上が紙おむつになっていた。大ヒット商品である。

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