FREE RIDE ライダーは桐生を目指す その16  手間3倍

このパンツのお尻の部分のプリントも、同じ工場でやってもらっている。

一見すると、何の変哲もないプリントにしか見えない。しかし、手間は普通のプリントの3倍はかかるという。縫製前の生地の段階でプリントするのではなく、パンツに仕上がってからの作業になるのが原因である。。

3Dプリンターならいざ知らず、一般のプリントは凹凸を苦手とする。だから、普通は生地をできるだけ平らに伸ばしてプリント作業にかかる。だがご自分のパンツを見ていただければお分かりいただけると思うが、仕上がったパンツのお尻の部分は決して平らではない。ポケットの部分はポケット用の生地の分だけ盛り上がっているし、縫い目もある。この凹凸が「手間3倍」の理由である。

これは「フロッキープリント」と呼ばれる特殊なプリントだ。まずシルクスクリーン(プリントに使う特殊な膜。穴を空けた部分だけインクが通る)でノリを図案通りに「印刷」する。その上にフロッキー(羊毛状の)加工された生地を乗せて熱を加えて完全に接着する。そのあとでノリをつけなかった部分を剥ぎ取って完成品にする。素晴らしい浮き彫り上のプリントが完成するまでには。これだけの手間がかかっているのだ。

「こんな面倒な作業を、うちみたいな少量生産の会社のためにやってくれる。しかも腕は一流。桐生じゃなきゃできませんよ」

 

 

冒頭の写真:「SKULL FLIGHT」のロゴが次々にプリントされる工場

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