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第2回 日本人説得の言葉
ある外国の経済人によるこんなたとえ話がある。
話は、氷山に激突し沈みかけるタイタニック号から始まる。
まず女性と子供らを限られたボートへ乗せなければならないが、これには男性乗客達の協力と理解が必要だ。
大パニックの中、船長は見事にその説得に成功するが、果たして何と言ったのだろう。
まず英国人に対しては「今こそ真のジェントルマンが必要です。」ドイツ人には「弱い人たちを救って下さい。それがルールです。」そして米国人には「女性や子供から先に。貴方はきっと母国でヒーローと称えられる。」 さて次はいよいよ日本人の番。外国人から見て最も琴線に触れると思われている言葉は一体何なのか?その答えとは「各国の男性、皆様そうされています。」何か拍子抜けでもあり、情けないやら、しかし痛いところを見事に突かれたような・・・。

日本人ならずともここに登場する国の方の中には当然意義反論があるでしょう。
しかし「一億総不動産業」と揶揄された平成バブル。そしてデフレ不況下、今なお「勝ち組」か「負け組」かで奔走している我々へのメッセージとも受け取れる。

私たちは日本人はとかく「皆で渡れば怖くない」という護送船団思考による「周囲との同属化」に安寧を見いだすところがある。一部を除き巷に溢れる商品や仕組みのそのほとんどがほぼ横並び一線で差異を見つけづらい。その結末は仁義無き価格競争が残るだけである。

昨年大ヒットしたSMAPの「世界に一つだけの花」という歌の一節に~僕ら人間はどうしてこうも比べたがる?一人一人違うのにその中で一番になりたがる?一人一人違う種を持つその花を咲かせることだけに一生懸命になればいい。小さい花や大きな花一つとして同じモノはないから~とある。

内なる自分の原石や種を再発見し、自信と勇気を持って育て磨き抜く事が、21世紀、世界とも交流する日本人にとって必須ではないか。「差別化や付加価値」だけでは手緩く、昨今の閉鎖感は打破出来ない。それらを超えた「独自化の領域」を創る事が待望される。 その「独自化の領域」とは、もはや「勝ち負けや順序順列」を争いあう世界とは無縁の「オンリーワンたる聖域」のはずだから。

ぐんま経済新聞 「東毛エッセイ」 平成16年1月29日より転載