0277-45-1464

メディア
Publicity
第12回 デザイナーズマンション コンセプト編

前号では私どもが集合住宅を創る際、何故“デザイン”にこだわるようになったのかの理由を綴らせて頂きました。今回からはひとつの企画プランが出来上がる迄のお話しを致したいと思います。

そもそも『デザイナーズマンション』はその場所毎のオーダーメイドのため、統一規格された規制品とは異なります。 それ故、私どもに企画のご依頼があり現地を見に行く時に大切にしている事があります。それはその地に関する事前の情報を頭にあえて入れない事です。一切の固定観念を持たずに、その地を初めて訪れた時の第一印象、『何を感じるか』を大切にしたいからです。

法規制を前もって認識してしまうと思考に縛りが生まれ、新しい事にチャレンジ出来なくなります。また、人口や消費動態、周辺の賃料等の各統計値に依存しまうと「ここはあのパターン」のように、考えが過去の成功域からなかなか脱せられません。

『ここでははたしてどんな人達が、どういう住まい方をするのだろう』などと色々と思い巡らす事がとても重要です。 更にロケーションを生かし、街並みに溶け込み、幾代も愛され親しまれてゆく事を念頭に仮説を立ててゆきます。仮説は何回も検証し、コンセプトが浮かび上がってくる迄やり直し続けます。 熟成されてきて始めて、本来の建てる主旨目的や各法規、そして事業計画に照らし合わせながら、いよいよそのコンセプトをデザインという目に見える形に表現してゆく段階に移ってゆくわけです。

コンセプト創りには是非じっくりと時間を取り、掘り下げていって下さい。何故なら、これから何十年も先の未来へと繋がる『風景』を、今この瞬間に決めているわけですから・・・。 次回は『これからのご入居者』についてお話しさせて頂きます。

ぐんま経済新聞 「東毛エッセイ」 平成18年10月12日より転載